EDや糖尿病はそれぞれが聞き慣れたものだと思いますが、二つはとても関係性が強いものです。
糖尿病になるとEDが発生しやすくなることも知られています。
EDと糖尿病の関係と、糖尿病が原因でEDになってしまった時の対策をお伝えしていきます。
糖尿病とはどういった病気?
糖尿病とは生活習慣病の中のひとつで、糖尿病を発症している人数は世界的に見ても2030年までに3億5000万人を超えるといわれているほど身近な存在です。
しかも糖尿病の初期症状はほとんどないといわれていて、糖尿病といわれる食後の血糖値が200mg/dl になっていても人は気が付きません。会社の定期検診など血液の検査などで見つかることが多いのが糖尿病です。
糖尿病は大きく分けて2種類あります。
- 1型糖尿病
インシュリンを必要とする。自己免疫疾患などで発症。インシュリンを作る細胞が壊れてうまくインシュリンを作れなくなるため、インシュリンを注射する必要がある
- 2型糖尿病
生活習慣からくるもので、初期であれば生活習慣を見直すことで治すことができます。日本人は95%がこの2型糖尿病です。重度になってくると薬の服用、自分でのインスリンの注射などをしなくてはならなくなります。
糖尿病と判断されるのは、血液の中の血糖値が高い状態が続くことを言います。
主に血液検査をして毛中にあるブドウ糖の数を調べます。
空腹時に126mg/dl 以上、食後に200mg/dl あると糖尿病の疑いがあります。
血液中のブドウ糖は体を動かすのに必要なエネルギーですが、細胞に栄養として使われたり増えすぎると脂肪に変わったりします。
このときに必要なのがインシュリンです。
糖分が高いものばかりを食べたり、GI値(お米、砂糖、小麦粉など)が高い食べ物を急激に取ったりすると、胃で分解された糖が血液中に大量に発生するため、インシュリンが沢山働きます。糖を分解しないといけないのに、インシュリンがうまく機能しないのが糖尿病です。
インシュリンの働かせすぎも原因のひとつであります。
いわゆる、糖尿病の症状としてあげられる、のどが渇く、尿が多くなる、痩せてくる、疲れやすくなるといったものは、糖尿病がかなり進んでいる状態です。
糖尿病は合併症をおこしやすい病気の一つです。
糖尿病は早ければ早いほど治る確率が高くなるので、異変に気が付いたらお医者さんに行って適切な指導を受けてくださいね。
糖尿病でED(勃起不全)になる理由
糖尿病で勃起不全になる理由
勃起不全もしくは勃起障害のことEDいいます。
EDの発症が見られると性的な興奮を感じても男性器の勃起がおきなくなります。
勃起がおきなくなることで男性としての価値がなくなってしまったと不安に感じたり、積極的に女性にアプローチが出来なくコンプレックスを持ってしまったり、パートナーがいる場合はEDの発症で満足がさせてあげられなく罪悪感を持ってしまったりとネガティブなことを考えてしまうことが多くなる人が多くいらっしゃいます。
糖尿病の人は80%がEDとも言われているほど糖尿病とEDは切り離せないものです。
どうして糖尿病でEDになってしまうのでしょうか。
そもそも勃起のメカニズムからお伝えします。
勃起のメカニズムは大きく分けて3つです。
- 神経を伝達して勃起のメカニズムを促す
- ホルモン、必要な神経、必要な筋肉が働く
- 血流がペニスに多く流れ海面活性体が膨らむ
どれか一つでもかけたら勃起ができません。
糖尿病になって血中の血糖値が高いまま続いてしまうと、神経繊維が減少して酸素が不足することで、神経が鈍くなってしまうのが原因です。
糖尿病が原因で起こる勃起障害は、この中の神経がうまく伝わらないことで起きてしまいます。
例えば、触られてもあまり感覚がないということが糖尿病でEDになっている患者さんにはよく起こります。
また、血液の状態も良くないと勃起に不利になってしまいます。
血液がうまく流れないことでも勃起不全はおきます。
糖尿病は、神経と血液の両方に問題が起きていてEDになっているのです。
糖尿病でEDになっても薬は使っていいの?
糖尿病で薬を使用していたり、インシュリンの注射をしていたりすると不安になってくるのが飲み合わせですよね。
EDの薬と糖尿病の薬は一緒に飲んでいいのでしょうか。
結論から言いますと、糖尿病のお薬と、ED治療薬は飲んでも問題ないといわれています。
【ED治療薬の仕組み】
ED治療薬のほとんどが、PDE5阻害薬といわれるものです。
勃起の仕組みは、神経→ホルモン→筋肉の弛緩→大量の血液が流れる→ペニスが膨らむ→膨らむことで止血され勃起の維持→射精→ホルモンや神経が働く→ペニスが元の大きさになる
といった一連の流れで勃起は起こっています。
射精をしてペニスの大きさが戻るときに必要なのがPDE5と呼ばれる伝達物質です。
これが作用することで勃起前の状態に戻してくれます。逆に言うとPDE5がなければ勃起したままになってしまいます。
しかし、勃起をする前にこのPDE5が強く作用してしまうと勃起を障害してしまいます。
EDのかたにはまず、このPDE5阻害薬を使って勃起を促します。ほとんどのEDの症状がこのPDE5阻害薬で勃起できています。
ED治療薬と糖尿病の飲み合わせは問題はありません。
しかし、糖尿病からのEDの根本的な解決にはなりません。
糖尿病を少しでも良くして、EDの原因の根本解決が一番です。
- 野菜中心の食事
- 飲酒や喫煙を控える
- 規則正しい生活
- 飲み物はお茶や水などカロリーがないものを飲む
- 砂糖、小麦粉、白米といったGI値が高い食事を控える
- 適度な運動をする
こう言ったことに注意するだけでも糖尿病は徐々に改善されていきます。
糖尿病に一度なってしまうと完治は難しくなりますが、症状を抑えることは可能です。
また、症状を抑えることは可能でEDの症状の緩和に進むことも考えられます。しかし身体の健康は徐々に改善がされていくものなので、突然良くなる訳ではありません。
EDの症状により自信を持てなかったり、女性との関係がうまくいかなく不安になってしまうことがあれば改善がみられるまでの間はED治療薬を飲んでみるのもひとつの手ではないでしょうか。
からだをいたわって下さいね。